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相続税や贈与税における土地の評価は、簡便的に土地を評価できるように評価基準が設けられています。
市街地においては路線価方式、それ以外の地域では倍率方式です。
路線価方式は、路線価にその土地の形状や個別事情に応じた各種補正を行い、最後に面積を乗じて計算する方法をいいます。
倍率方式は、路線価が定められていない地域の評価方法をいいます。
倍率方式においては、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算をします。
その路線価方式や倍率方式は法律ではありません。国税庁の実務上の取扱いです。
路線価方式はなぜ広く認められているのでしょうか。
このように評価基準制度がとられている理由は、
・土地の客観的な価額を的確に把握することが容易ではないこと、
・各自が個別的に評価をすると、採用した資料等によって評価額に格差が生じること、
・税務署の事務負担が重くなること
・画一的に評価する方が、納税者間の公平、納税者の便宜、徴税費用の節減という見地からみても合理的であること
とされています。
また、路線価方式は、簡易な不動産鑑定と定型的補正とを組み合わせた方式として評価され、不動産鑑定評価理論に照らしても不合理とは言えないと考えられています。
そのため路線価方式は、「これを不合理とする特別の事情」がない限り、合理的な方法とされています。
したがって、不動産業者の査定価格や不動産鑑定士の鑑定評価書は、「路線価方式を不合理とする特別の事情」がない限り採用できないものとされています。